蹴上|岡崎界隈

蹴上 京七口のひとつ、粟田口の街道であった蹴上は、京都近代化発祥の地として知られている。
琵琶湖から京都に水をひき、その水力で電気を起こし、水運を盛んにし京都に活力を呼び戻そうとしたのである。
その土木工事には大学出たての田邉朔郎があたり、明治23年に完成、琵琶湖疎水と名付けられ今日まで京都に潤いをもたらしている。
今でこそ船の行き来は無くなったが、蹴上のインクラインは春になると桜の花が満開となり、大勢の人で賑わうのである。
蹴上という地名の由来は、その昔,牛若丸が金売り吉次と共に、奥州藤原氏のもとに旅立つ際に粟田口を出て、ここに来た時に、平家の武者が通りかかり馬が泥水を蹴上げたものが牛若にかかり、怒った牛若がこれらの武者を切り捨てたという謂われから「蹴上」と呼ばれるようになったと云う。
その後、牛若はこの行いを恥て9体の仏像を祈願したという。その一つが疎水公園の中に残っている。


アクセス
京都駅から
▼「D1」乗り場から100系統又は「A1」乗り場から5系統
 『動物園前』下車(所要30分)
▼地下鉄烏丸線で『烏丸御池』乗り換え、東西線『蹴上』下車(所要12分)


蹴上を歩くを歩く

■ 動物園前(バス停)

動物園前でバスを降り、岡崎道を南に
徒歩3分

■ 琵琶湖疎水

琵琶湖疎水 琵琶湖疏水は、明治18年に工事が着工され、大津山科間の第一トンネル(延長2,436m)の工事は、硬岩と湧水との闘いの中での大変な難工事となった。
疎水工事は明治初期の土木技術の最先端をいくもので、着工してから4年8ケ月後の明治23年4月、就労者数400万人、125万有余円という莫大な費用をかけて、大津の琵琶湖取水地点から鴨川落合まで11.1kmの疎水が完成をした。

徒歩3分

無鄰庵

六勝寺のこみちを東に少し歩くと、山県有朋の別荘であった「無鄰庵」に行き当たる。
この建物は、明治27年(1894)に着工し、29年(1896)に全体が出来上がる。

徒歩1分

■ 瓢亭別館

瓢亭別館 瓢亭は、江戸時代の元禄中期に南禅寺へ参詣する人達の茶店として店を開いたのが始まりである。
天保8年(1837)に料亭の暖簾をかかげ、懐石料理の店として、料理や雰囲気ともに名声を得、京の食文化を今に伝えている。

徒歩5分

琵琶湖疎水記念館

六勝寺のこみちを疏水に沿って歩くと、みちは大きく右に曲がっていく。
その曲り角に「琵琶湖疏水記念館」がある。

徒歩2分

インクライン

インクラインとは、斜面とか坂を表す、英語の「incline」
のことで、日本語の意訳で「傾斜鉄道」という意味を表す一般名詞である。
疏水記念館の地階の出口を出て南禅寺橋をくぐりインクラインの軌道内を南禅寺船溜から蹴上船溜に向かって歩いていくことが出来る。

徒歩6分

■ 蹴上発電所

蹴上発電所 琵琶湖疏水を開発するにあたり、田邉朔郎はアメリカの水力発電所を視察し、疏水を利用して水力発電を起こそうと考え、明治24年(1891)日本で初めての発電所である第1期蹴上発電所を造るのである。
その後、電力需要は大きくなり、第2琵琶湖疏水工事が上水道や市電の敷設とあわせて京都市三大事業として計画されることとなり、明治45年(1912)に第2琵琶湖疏水と第2期蹴上発電所が完成することになる。
ここに残る建物は、第2期の発電所で、明治の建物らしくレンガ造りのしっかりした風格を備えた建物となっている。

徒歩12分

金地院

蹴上発電所から南禅寺橋まで戻り、橋を渡り少し行くと、金地院がある。
応永年間(1394〜1428)、室町幕府4代将軍足利義持が大業徳基を開山として洛北・鷹ケ峯に創建したのが始まりと伝えられる。

徒歩4分

■ ねじりまんぽ

 ねじりまんぽ 金地院を横に見て再びインクライン目指して歩くと、「ねじりまんぽ」に行き当たる。
「まんぽ」という言葉はトンネルなどを表す方言で、人が通れる位のトンネルで上を疏水が流れ、その下を潜って抜けるトンネル、すなわち「まんぽ」ということらしい。
「ねじり」はレンガ積みの段階で真直ぐ積むのでなく、すこしずつネジッてレンガを積んでいく工法から、ねじれたトンネルという意味で「ねじりまんぽ」と付けられたと云う。

徒歩5分

■ 田辺朔郎博士像

田辺朔郎博士像 疎水公園の中に、工部大学(現東大)を出て疏水工事を担当した、田邉朔郎博士の銅像が建っている。
工部大学を出たての若い人材を、この一大プロジェクトに起用したのは、その当時の大学出はエリートであり又、その期待に応えられるだけの力を持っていたのである。

徒歩5分

九条山浄水場

インクラインを登りきって、第1疏水の第3出口の横にレンガ造りの重厚な建物がある。ここが、旧九条山ポンプ場で、京都御所の防火用水を確保する為に設けられた施設である。

徒歩6分

■ 南禅寺への疎水

南禅寺への疎水 疏水公園を疏水分線に沿って歩き、水門の前に架かる橋を渡ると、疏水べりを通って南禅寺に通じるプロムナードがある。
このプロムナードは、蹴上から南禅寺への近道となっていて、山の中腹を横切る形で南禅寺へと続いている。

狭い山道を、徒歩10分

■ 南禅寺

動物園前でバスを降り、岡崎道を南に


徒歩8分

■ 南禅寺・永観堂道(バス停)

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